昔、風邪をひいたときにおばあちゃんから「風邪には辛いものが効くのよ」なんて言われたことはないだろうか? 日本では、とうがらしよりもねぎやしょうがなどがよく用いられたようだが、とうがらし大国のひとつインドの医学書では、とうがらし入りのお湯でうがいをすることなどが勧められていた。そんなとうがらしの薬用効果を、科学的に解明しようとする研究者が増えている。それらの研究から判ってきたこととは・・・

痰を除く働きがある

風邪をひくとせきが出る。どうして?

風邪をひくとせきが出る。どうして?
鼻の中から気管支、肺まで、すべて粘液に覆われているのはご存知の通り。粘液には肺の奥で作られるものがあり、気管支、鼻や口へと登って蒸発している。重力に反して粘液が登っていけるのは、粘液がサラサラの液体だからだ。
ところが風邪などの呼吸器系の病気をすると…
粘液が濃く、ねばねばしてくる

健康なときのシステムで、粘液を鼻や口まで運べなくなる

せきが出る(せきをして粘液を鼻や口に運ぼうとする)
また、粘液がベッタリはりつくことで、気管内に炎症をひきおこす

咳止め薬の役割は?

咳止めの飲み薬は、まず胃粘膜の細胞を刺激して、脳の「粘膜運動中枢」に信号を送る。この信号を受けて脳は気管支の分泌腺に「水分を出して粘液を薄めろ!」という命令を送るのである。
実は、とうがらしの辛味成分カプサイシンにも、これと同じような働きがあるのだ。